公開日:2026.10.28 更新日:2026.10.28

キャンセル料は、予約のときにお客様が決まりを知ったうえで申し込んでいれば、請求できます。ただし、消費者との契約では、同じ種類の予約が取り消されたときに、その施設に平均して生じる損害の額を超える部分は無効になります(消費者契約法第9条)。もう一つの難しさは、来なかったお客様に、あとからお支払いをお願いすることです。このガイドでは、時間で場所や設備を貸す施設と会員制の施設を例に、いくらまでが妥当かの考え方、規約に書いておくこと、あとから請求しなくて済む受け取り方を整理します。
請求できます。予約が成り立った時点で、お客様と施設のあいだには契約ができています。その契約で「取り消すときは、この時期ならこの金額」と決めておけば、その決まりにもとづいてキャンセル料を受け取れます。
ただし、お客様が個人(消費者)のときは、消費者契約法第9条第1項第1号が上限を決めています。取り消しに伴う違約金などは、決まりで分けた取り消しの時期などの区分ごとに、同じ種類の契約が取り消されたときにその事業者に生じる平均的な損害の額を超える部分が無効になります。
| 請求しやすい | 揉めやすい | |
|---|---|---|
| 決まりの見せ方 | 予約画面・確認画面・確認のメールに同じ文で出し、同意してから支払う | 規約のページにだけ書いてある/取り消しのあとで初めて伝える |
| 金額 | 取り消しの時期で分け、枠が埋まり直す見込みに合わせて段階をつける | 何日前でも一律で100% |
| お客様の種類 | 法人の利用(消費者契約法の対象外。決めた内容と民法による) | 個人の利用で、平均的な損害を大きく超える金額 |
| 説明 | 「なぜこの率か」を聞かれたら、考えた項目を説明できる | 根拠を説明できない |
2022年の法改正で、第9条に第2項が加わりました。事業者がキャンセル料を請求する場面で、お客様から説明を求められたときは、その金額の算定の根拠の概要を説明するよう努めなければならない、という決まりです。消費者庁の逐条解説では、具体的な数字までは要らず、考慮した費用の項目などを説明すれば足りる、とされています。
消費者庁の逐条解説は、「平均的な損害の額」を、その事業者が結ぶ多数の同じ種類の契約について、取り消しの時期などの区分ごとに損害を平均した値だと説明しています。業界の水準を指すものではない、とも書いています。ほかの施設の率をそのまま写すのではなく、自分の施設で取り消しが起きたときに、どれだけ売上が戻らなかったかで考えます。
時間で貸す施設では、損害の大きさは「その枠が、ほかのお客様で埋まり直すかどうか」でほぼ決まります。早めの取り消しなら枠を売り直せますが、直前の取り消しや来なかった枠は、ほとんど売り直せません。
枠が埋まり直すことが多く、損害は小さめです。無料、または低い率にしておくと、お客様も早めに連絡しやすくなります。
埋まり直す見込みが下がります。清掃や準備の段取り、ほかのお客様の予約をお断りした分も考えます。
その枠はほぼ売り直せません。予約のときに受け取った料金を、そのまま利用料としていただく形が分かりやすくなります。
根拠を説明できるようにするには、取り消しの記録を、時期の区分ごとに数えておくのがいちばん確かです。
「3日前まで」「2日前〜前日」「当日」「連絡なし」のように、キャンセル料の段階と同じ区切りにします。
数か月分の取り消しについて、区分ごとの件数と、その枠がほかのお客様で埋まり直した件数を数えます。
埋まり直さなかった枠の料金の合計を、その区分の取り消し件数で割ると、1件あたりに戻らなかった売上の目安になります。
その目安を超えない範囲で率を決め、考えた項目(枠の料金・売り直せた割合・清掃の段取りなど)を書き残しておきます。
金額が大きい予約(貸し切り・長時間の利用など)や、判断に迷う決まりは、弁護士などの専門家に確かめてから使ってください。このガイドは、消費者契約法の条文と消費者庁の逐条解説をもとにした考え方の整理です。
来なかったお客様にあとからお支払いをお願いする場合、まず連絡のつかなかった理由を確かめ、予約の記録と同意した決まりを示して、期限をつけた請求を送り、応じていただけなければ何度か連絡をする、という順になります。お客様の連絡先がメールと電話番号だけのことも多く、キャンセル料の額に比べて、施設の手間が大きくなりがちです。
そこで、キャンセル料を「あとから請求するもの」ではなく、「予約のときに受け取った料金から差し引くもの」にすると、請求の作業そのものが要らなくなります。受け取り方ごとの違いは次のとおりです。
| 事前決済(予約のときに支払い) | 現地払い(当日に支払い) | 会員制(月会費+予約の回数) | |
|---|---|---|---|
| 連絡なしで来なかったとき | 受け取った料金がそのまま残る | 何も受け取れていない。あとから請求する | その月の予約の回数を1回使ったものとして数える |
| 直前の取り消し | キャンセル料を差し引いて返金する | あとから請求する | 回数を使ったものとして数える |
| 施設の作業 | 返金の計算と操作(システムで自動にできる) | 請求書・督促の連絡 | 回数の数え方を決めておく |
| 向いている施設 | はじめてのお客様に時間で貸す施設 | 受付に人がいて、常連のお客様が多い施設 | 毎月通う会員が中心の施設 |
受付に人がいる施設なら、ネット予約は事前決済、電話や来店でのご予約は当日払い、という分け方もできます。この場合、当日払いの予約については、来なかったときの扱いを別に決めておきます。
OptiLync は、当社が直営するインドアゴルフスタジオの運営のために作った予約システムです。キャンセル料は、施設が決めた段階のとおりに自動で計算し、差し引いた額だけを返金します。
| 場面 | OptiLync での動き |
|---|---|
| 決まりの設定 | 「何日前まで何%」を3段階まで(例:2日前まで無料、前日50%)。どの段階にも当たらない直前の取り消しは100%。あわせて、取り消しを受け付ける締切(開始の何分前まで)を決めます |
| 決まりの表示 | 設定した段階から文を作り、予約画面・会員のホーム・規約のページに同じ内容で出します。会員がキャンセルのボタンを押すと、かかる率を示して確かめてから取り消します |
| 会員登録なしの予約 | 予約のときにカードで支払い(毎回カード会社の本人認証)。取り消しはメールのリンクから。締切と段階で返金額を計算し、返金してから取り消します |
| 会員の予約 | キャンセル料がかかる時期の取り消しは、月の予約の回数を1回使ったものとして数え、回数券も戻しません。かかる時期に入ったら日時の変更もできません(変更でキャンセル料を避けられないように) |
| 連絡なしで来なかったとき | 事前決済の予約は返金しません。現地払いを選んだ予約は、来なかったときの料金を自動では受け取れないので、施設で扱いを決めておきます |
| 前日のお知らせ | 希望する施設は、前日の18時に翌日の予約のお知らせを送れます(会員登録なしの予約はメール。会員には、予約した日から決めた日数以上先の予約だけ、LINE かメールで) |
前日のお知らせと現地払いは、施設ごとに入れる追加の機能です。当社の直営店(会員制)では、前日のお知らせを使っていません。
国税庁のタックスアンサー(No.6253)では、キャンセル料を2つに分けています。取り消しで得られなくなった利益の埋め合わせとして受け取るものは損害賠償金にあたり、消費税の対象外です。一方、取り消しの手続きの手数料として受け取るものは、その手続きの対価なので消費税の対象になります。2つを分けずに一括で受け取っている場合は、全額を対象外として扱う、とされています。
規約に「事務手数料」と「キャンセル料」を分けて書くかどうかで、会計の扱いが変わります。決まりをつくるときに、顧問の税理士にもあわせて確かめておくと安心です。
「2日前まで無料、前日50%、当日100%」のように、何日前から何%か。日数は、利用日の何日前かで数えます。
開始の何分前まで、どこから取り消せるか(確認のメールのリンク・会員画面など)。
受け取った料金を返さないのか、あとから請求するのか。
終わりの時刻は延ばさないのか。何分以上遅れたら取り消しとして扱うのか。
設備の故障や、交通機関が止まったときなどに、全額を返すかどうか。
カードで支払った方には、カードへ返金するのか。返金が明細に反映されるまでの目安も書いておくと、お問い合わせが減ります。
請求できます。予約のときにキャンセル料の決まりを見せ、お客様が同意して申し込んでいれば、その決まりにもとづいて受け取れます。ただし個人のお客様の場合、取り消しの時期などの区分ごとに、その施設に平均して生じる損害を超える部分は無効になります(消費者契約法第9条第1項第1号)。
決まった上限の率はありません。基準は、同じ種類の予約が同じ時期に取り消されたときに、その施設で平均して生じる損害です。消費者庁の逐条解説では、業界の水準ではなく、個々の事業者の数字で考えるものとされています。取り消しの時期ごとに、枠が埋まり直したかどうかを記録しておくと、率の根拠を説明できます。
連絡のつかなかった理由を確かめたうえで、予約の記録と同意した決まりを示し、期限をつけて請求します。手間がかかるので、これから決まりをつくる施設は、予約のときに料金を受け取り、取り消しのときにキャンセル料を差し引いて返金する形にしておくと、あとからの請求が要らなくなります。
得られなくなった利益の埋め合わせとして受け取るキャンセル料は、消費税の対象外です。取り消しの手続きの事務手数料として受け取るものは対象になります(国税庁タックスアンサー No.6253)。
月会費の施設では、お金を請求するより、直前の取り消しや来なかった予約を「その月の予約の回数を1回使った」と数える形が分かりやすくなります。OptiLync では、キャンセル料がかかる時期の取り消しを、月の回数を使ったものとして自動で数えます。
できます。「何日前まで何%」を3段階まで決めると、予約画面と規約に同じ文で出し、取り消しのときに差し引いた額を自動で返金します。月額 22,000円(税込)で、キャンセル料の機能に追加の料金はかかりません(カード決済には、決済額の 3.5% の決済手数料がかかります)。
法令・官庁のページの確認日:2026年10月28日。
OptiLync は、予約のときのカード決済、段階のキャンセル料の自動計算と返金、予約の時間だけ使える暗証番号の送付までを1つで動かします。月額 22,000円(税込)、部屋数・予約数の上限はありません。
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